本日のテーマ、試験中に起こる「思考の上滑り」という現象です。
思考が上滑りしてしまうって「何の事かわからない」とお感じになった方、このブログは受験生だけでなく、受験生のご家族の方にも沢山読んでいただいておりますが、ご家族からすると「何のこっちゃ?」と思われる方が多いと思います。
しかし、間違いなく受験生ご本人は思い当たる経験が何度もあると思います。
どういう現象か。
例えば、英語や国語の長文、課題文を読んでいる時に、表面的な事だけで解釈しようとしてしまう。
そこに出ているキーワードだけでつなぎ合わせて適当に解釈して済ませてしまう。
頭の中では著者はきっともっと深い事を意味して書いているのだろうなと気づきながらも表面的な意味だけで済ましてしまう。
これは受験生なら何度も経験があると思います。
これが「思考の上滑り」です。
数学でも思考の上滑りはあります。
例えば、問題文に書かれている数字を、ただ足したり引いたりしてそれらしい計算をする。
で も、心の奥底では「数学の本質とは違うなぁ、こんな足し算引き算をするだけでは無く、公式を使い現象の本質に繋がるような事が問題になっているんだろう なぁ」と心の奥底では気が付いているのだけれども、そこに正面から向き合うのでは無く、単純に足し引きしてそれらしい回答を出す。
もちろんこれらは不正解です。
英語も国語も数学もそれらしい答えを出すのだけれども、結局間違っているので0点になってしまう。
これが「思考の上滑り」です。
この「思考の上滑り」は特に本試験で起こりやすいので注意して頂きたいです。
普段の勉強よりも模擬試験を受けている時の方が思考の上滑りは起きやすく、模擬試験よりも本試験の方がより思考の上滑りは起きやすいのです。
何故か。
根本的な原因は集中力の低下です。
国語や英語の課題文をしっかり読み続ける為には、ねばり強く集中を維持しなくてはならないのですが、脳がそれを出来ない状態になっていると表面的な事だけでごまかそうとしてしまう。
或いは、数学も、本質に迫っていこうと思ったら粘り強く思考を続けなくてはならないけれども、脳の集中力がそれを許さない状態になっていると、「もういいや、表面的な事だけでなんとかしちゃえ」といった形になる訳です。
実は、こうした現象が特に起こりやすいのは本番の試験会場です。
集 中力が途切れた状態でも、普段の受験勉強の時であれば、ぼーっとして、やる気出ないよねっという事で表面化する事が多いのですが、本番の試験の場合は、と くかく受けないと、しっかり問題を解かないと受からないという事で、なんとしても良い点数をとりたいという思いは非常に強いですね。
でも、一つ一つねばり強く集中を維持する事は出来ない。
結果どうなるかと言うと、上滑りした思考の状態で表面的に問題を解いていく。
そうすると、確かに答案用紙は埋まりますがこれはごまかしです。
自分を誤魔化しているだけで、採点者をごまかす事は出来ません。
結果として壊滅的な点数になり不合格になります。
大切な事はこうした「思考の上滑り」は集中力をアップ出来ないという脳の問題として生じるという事をご理解頂く事です。
そして、そのような状態にならないように集中力を高められる脳の状態にしておくという事です。
私が代表を務める「受験医学研究所」で提供している「集中力アップ」は、こうした「思考の上滑り」に依る不合格を防ぐ効果もある事を是非覚えていて下さい。
受験医学研究所
代表 医学博士 心療内科医師 吉田たかよし
http://www.juken-igaku.com/