今回のテーマは「長文の集中力」です。
英語にしても、国語にしても、最近の入試は課題文がどんどん長くなり、長文を早く読みこなす事に力点が置かれています。
昔は凄く難解な文章、例えば、英語ではシェイクスピアのような古典的な文章で、「倒置の倒置」「主語が省略してあって」等、パズルを解くようにして読んでいくような問題が、私が受験生の頃にはまだ出ていましたけれど、最近そんな問題はもう絶滅しています。
何故かと言うと、インターネットの普及で長い文章をすらすら読むという事が大事になってきたからなのです。
こうゆう英語や国語も長文読解の手中力、これはズバリ一言で言うと「情報加工のスピード」なんです。
長い課題文全部を記憶に留めておける人は、東大合格者でも一人いるかいないか、まぁいないでしょう。むしろそういう方は得点を取りにくい。
何故かと言うと、長文読解とは、大事な事だけ記憶に留め、そうで無い事はむしろ忘れた方が得点は高いというデータが出ているのです。
では、長文読解の手中力とは何かと言うと、「情報加工のスピード」です。
一段落読んで、それをそっくりそのまま頭に入れるのでは無く、そこで加工し、「重要な部分はこうなんだ」と、その重要な部分だけを覚えておき、その他の細かな事は全部忘れた方がむしろ得点は上るのです。
つまり、長文読解の手中力は、情報を加工していくスピードが早いか遅いかが、もの凄く大きな要素となっている訳です。
では、脳機能でこれができるのは何かと言うと、それは「ワーキングメモリ」です。このブログでも何度かご紹介しましたが、心の黒板と言われ、情報を書いたり消したりしている「ワーキングメモリ」の機能がものすごく重要だという事です。
その点で、磁気刺激治療が「ワーキングメモリ」の機能を高める事が出来るという事は既に研究によって明らかにされており、手中力全般に上がりますが、特に英語や国語の長い文章を読み取る能力という点についてはとりわけ磁気刺激は大きな効果が期待出来る訳です。
受験医学研究所
代表 医学博士 心療内科医師 吉田たかよし
http://www.juken-igaku.com/